おすすめ度：★★★★☆ 正しいことを正しいと言える勇気を！
U-NEXTでタイBLドラマ「7 Project / EP6：VS Love」（2021年）を観ました！Studio Wabi Sabi 制作の「7 Project」は、7つのショートストーリーがひとつになったオムニバス作品。高校が舞台のシリーズだけあって、若さはじけるフレッシュなキャスト陣にまっすぐで爽やかなストーリーが特徴。清々しい青春ドラマを見たくなった時におすすめ。
正義感の強い転校生トンナム
このエピソードの主人公は10年生のクラスにやってきた転校生トンナム。とても成績優秀で、奨学生として学校にやってきた。それが理由で、転校初日には担任の先生から学級委員に指名される（普通は転校初日に学級委員になるなんてまずないと思いますが…）。
転校初日、トンマイが廊下で見かけたのがとても感じの悪い同級生プーパー。クラスメイトに陰険な態度でつっかかり、皆から嫌われ、避けられていた。その様子が気になっていたトンナムは、すぐに自分のクラスにプーパーがいることに気づく。しかも席はすぐ後ろ。
主人公トンナムを演じているのはピーク・ピーマポーン・パーニタムロン（Peak Peemapol Panichtamrong）。タイドラマ「Hook / 青春はヘビーパンチ」では、ボクシングに打ち込む大学生マンを演じていす。このドラマとてもいい話で、超おすすめです。
プーパーのカンニング通報事件
今はやさぐれて、みんなに避けられているプーパー。実は以前はとてもまじめな生徒で、成績も学年で１、２を争うほど優秀だった。それがある事件を境に、プーパーは変わってしまった。ある日、プーパーは、同じく学年でもとても成績優秀な同級生ピーが、テスト中に「カンニング」をしているのを偶然目撃してしまった。それが許せず、試験終了後に先生に報告したら…。
証拠もないのに同級生を悪者にするなと、逆に諭されてしまった。しかも、同級生たちからは、ほかの成績優秀者を蹴落とすためにカンニングをでっちあげたと誤解されてしまった…。
「不正」を通報したにもかかわらず、なぜか「正しい行為」が逆に否定される学校。プーパーは失望し、まじめに勉強する意味を見失ってしまった。それ以来、授業中は寝てばかり。課題はサボってばかり。クラスメイトにはつっかかってばかり。そんなダメなプーパーが出来上がってしまったのでした。
ちなみに、カンニングをした生徒ピー役は、「What the Duck」と続編「What the Duck: Final Call」に出演していたアート・パクポーン・ジュアンチャイナット（Art Pakpoom Juanchainat）。このシリーズでは航空会社の男性CAを演じていましたが、その数年後に制作された「7 Project」では高校生役を演じるという幅の広さ！
正義はどこに？
成績優秀なピーは確実にカンニングをしている。しかも一度や二度ではなく、毎回カンニングをしている…。そして、カンニングを目撃したクラスメイトの口封じのため、トイレで脅したり、カネで買収したり、ととても高校生とは思えないことをやっている…。
その様子をたまたま見かけてしまったトンナムは、とっさにスマホで動画を撮影。証拠をもとに、先生に試験でカンニングがあったと報告するが…。なんと先生はトンナムの話をまともに取り合わず、証拠をゴミ箱に捨ててしまった！なぜなら、ピーは校長の甥っ子。とてもそんな報告をあげるわけにはいかないし、罰するなんてもってのほか…。
プーパーと同じ経験をしたトンナムは、プーパーと同じく学校に失望する。だが、トンマイはそこで立ち止まらなかった。トンマイはその動画をツイッターに投稿し、一部の権力者だけではなく、多くの生徒や先生、関係者の目に触れるようにした。
動画はすぐにツイッター上で拡散され、あっという間に学校中が知ることに。問題を把握した校長からは「動画を削除しないと奨学金を取り消す」と脅される事態に…。しかし、トンナムは大人の脅しに屈しなかった！
自分が正しいと思うことのために闘え
動画が拡散されていることを知ったピーは激怒し、トンナムに殴りかかる。ふたりのケンカ騒動を聞きつけたプーパーが駆けつけ、トンナムを助けに入り、とりあえず保健室へ避難。トンナムの傷口に消毒液を塗りながら、「ごめんな」と素直に謝るプーパー。
不正を見て見ぬふるしていたら、不正をした側についたことになる。戦うんだよ。死ぬまで戦うんだ。何も見返りがなかったとしても、正しいと思うことのために戦うんだ
自分のため、自分たちが正しいと思うことのために、間違っていることは間違っていると言うべきだと主張するトンナム。校長に脅され、奨学金を失っても、トンナムは自分が正しいと思うことを貫いた。
これきっかけに渦中の人になってしまったプーパーは学校にいずらくなり、転校。トンナムは、校長先生の脅しどおり、騒動を起こして奨学金を失ってしまった。「模範生徒」ではないからとの理由で、担任の先生は学級委員を選び直すことに。しかし、一連の出来事を見ていたクラスメイトたちは再びトンナムに投票した。
そして、トンナムとプーパーの仲は急接近！いい友達になっただけでなく、そこからお互い気になる関係に…！
1エピソード限りの短いストーリーにもかかわらず、大人たちによって歪められた「学校の正義」と、そこに立ち上がる勇気を持つことの大切さを簡潔かつわかりやすく描いた作品。タイに限らず、きっと似たようなことはどこの世界の学校でも起きていることなのでしょうね。そしてBLも！
正しいことを正しいと言える勇気を！
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