おすすめ度:★★★☆☆ 1999年レトロのタイを舞台に、双子の姉妹の絆を描いた作品
Netflixでタイ映画「YOU & ME & ME」(2023年)を観ました!一卵性双生児に生まれたユーとミーは、何をするのも一緒でとても仲良しの姉妹。双子らしく、顔も声も見分けがつかないほどそっくり。「入れ替わり」のイタズラもしながら、いつも楽しく遊んでいた。そんな2人の関係が、1人の男の子との出会いで少しずつ変わりはじめる。1999年のちょっぴりレトロなタイを舞台に、甘く切ない恋物語を描いた作品。
双子のユーとミー
主人公はとにかく明るい双子のユーとミー。両親が離婚の危機にあり、ちょっと複雑な家庭環境にある。学校が休みに入ったこともあり、ユーとミーとお母さんの3人は、お母さんの田舎でしばらく暮らすことに。
そこで出会ったのが、同じ学校に通っていた男の子マーク。ユーはマークに出会って、初めての恋をする。マークもすぐにユーに恋をする。そして2人は付き合い始める。
マークはユーに学校で一度会ったことがあると思っていた。追試験を受けた時に、鉛筆を折って貸してあげた女の子がユーだと思ったから。でも、実はこの時、追試を受けていたのはミー。
そう、マークはミーに「一目惚れ」し、ユーに「再会」して恋に落ちていたのでした。
いつもずっと一緒にいたユーとミーは、マークの登場で、少しずつこれまでとは違う経験をする。一緒にいない時間が増え、お互いに気を使うことが増え、少しだけ邪魔に思うようなことも…。
たとえ双子じゃなかったとしても、兄弟姉妹や友達との関係で、思春期の誰もが一度は経験する感情ですね。
Y2Kに沸いた1999年
この映画は1999年のタイが舞台。2000年を目前にした1999年は「Y2K」と呼ばれた「コンピューターの2000年問題」が大いに世間を騒がした年で、ドラマのあちこちでY2Kについてのニュースが流れたり、人々の話題になったりします。
今でこそすっかり昔の人になってしまいましたが、1999年当時は世紀末での世界滅亡を予言した「ノストラダムス」が大流行り。ミレニアム(千年紀で1000年に一度しか訪れない年)を目前に控え、何かが終わるような、何かが始まるような、そんなソワソワ、ワクワクした時期でしたね。
つい昨日のようにも思えるけど、振り返ればあれからすでに四半世紀近く!あの頃のインターネットは固定電話経由でのダイヤルアップで動画なんかとても見れなかったし、携帯電話はようやくメッセージが送れるようになった頃でした。
タイではバンコクでスカイトレインがもうすぐ走りはじめる頃。途上国だったタイが徐々に豊かになり始める頃。タイの人々にとっては、日本人にとっての「ALWAYS三丁目の夕日」みたいな、ちょっと哀愁漂うレトロな時代なのでしょうか。
ユーとミーの絆
ストーリーはユーとミーの初恋を軸に進んでいくのですが、必ずしもすべてがうまくいくわけではないのが初恋。というよりむしろ、初恋は甘く切ないもの。ユーとミーは両親の離婚という辛い現実にも直面しながら、お互いがお互いにとって誰よりも大切で必要な存在なんだと知る。
きっと双子の人が観たら共感ポイントがたくさんあるんじゃないかな…。
レトロな雰囲気に包まれたタイ映画「YOU & ME & ME」(2023年)は、双子でも双子じゃなくても、思春期の人間関係の変化や人との絆を思い出すちょっぴりノスタルジックで優しい作品です。
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