おすすめ度:★★★★★ 生徒会長ティンとバンド男子ガンのとびきり純粋で元気なBLラブコメ!
GMMTVのタイBLドラマ「My School President」(2022年)を観ています!主人公のティンとガンは同じ高校に通う3年生。高校最後の1年間を最高の思い出にしたいと思っていたら、新校長の学校改革でガンの音楽部は廃部の危機に!ティンは生徒会長の立場を使ってなんとかガンを助けようとするも、次から次に試練が襲いかかる…。果たして、ガンはHot Wave音楽賞で優勝トロフィーを持ち帰ることはできるのか!?そして、ティンとガンは音楽部の「鉄の掟」を乗り越えられるのか!?「こんなBL待ってた!」としか言いようのない、とびきり純粋で元気なBLラブコメ作品。
新生徒会長に就任したティン
主人公は、成績優秀のティンとバンド活動しか頭にないガン。高校三年生の2人が通う高校で、ある日新校長が就任し、学校の名声を高めるための大胆な改革が始まった。それは、学校の名声に貢献しない部活動は廃部にするというもの。早速、一年前のHot Wave音楽賞で乱闘騒ぎを起こしたガンの音楽部は、「一週間以内に成果を出さなければ廃部」という難題を突きつけられた!
この難題を課したのが、新しく生徒会長に選ばれたティン。ティンは新校長の息子で、母親の示す新しい経営方針に従って、生徒たちの部活動を監督していたのだが…実は、ティンが生徒会長になった本当の理由は別にあった!
イケメンで成績優秀なまさに「出来杉くん」のティン役を演じているのは、ジェミナイ・ノラウィット・ティティチャロエンラック(Gemini Norawit Titicharoenrak)。キャラ的には「出来杉くん」ですが、高校一年生の時につけていた「丸メガネ」姿から、ガンに「のび太」扱いされるシーンも。
ちなみに、オームとナノン主演の傑作タイBLドラマ「Bad Buddies Series」にも出演していたらしいです。小ネタですが、第3話でティンの親友ティウがティンに「バッド・バディーでも見たらどうだ」と言うシーンが出てきます!
ガンの音楽部は1週間で廃部に!?
音楽部のガンは、先輩たちの後を追い、今年のHot Wave音楽賞で優勝することを目標に、仲間たちとバンド活動(バンド名は「チンチラ」)を続けていた。そこで突きつけられた「一週間以内に成果を出さなければ廃部」という厳しい条件。ガンたちはほかにどうしようもなく、近日開催される「宗教祭の民謡コンテスト」に登壇することに。
審査員の投票で優勝者が決まる民謡コンテスト。なんとそこに審査員として現れたのは、生徒会長のティンだった!軽音バンドを民謡にアレンジし、会場を沸かせたガンだったが、審査員ティンが投票したのは、ガンたちのバンド「チンチラ」ではなく、別のバンドだった…。
これで音楽部の廃部が決まってしまった…と思った矢先、実は今年から新ルールが適応され、観客一人ひとりの投票で優勝者が決まることに!そして、チンチラに次々と観客からの投票が届く。
お前めっちゃかわいい。すっごくかわいい。この世で一番かわいい。
ティンが審査シートの片隅に書き留めた言葉…。その横にはステージで歌うガンの似顔絵…。そう、ティンは最初から、ガンに勝たせるためにこのコンテストに出場させようとしていた。しかも、チンチラに投票するよう観客たちにお願いして回っていたのは、他でもないティンだった!
そうとは知らず、民謡コンテストでの優勝を自慢げに学校に持ち帰るガン。とはいえ、これで見事、廃部の危機は免れたのだが、そもそもガンたちの目標は、民謡コンテストではなく、今年のHot Wave音楽賞で優勝トロフィーを手にすること。そこで、早速今年の大会にエントリーしようとするが…。
ガン役を演じているのは、フォース・ナタワット・ジロチクル(Fourth Nattawat Jirochtikul)。ティン役のジェミナイと一緒で「Bad Buddies Series」に出演していたようです。これから2人のシリーズ出演も増えそうでとても楽しみです。
中間試験で全員合格が条件
Hot Wave 音楽祭にガンたちが学校代表でエントリーするには「校長の承認」が必要だった。これを利用し、音楽部を廃部に追い込みたい校長は、ガンたち部員全員が「中間試験で全員合格すること」というまたしても難しい条件を課す!
なんとかしてガンたち全員を中間試験で合格させたいティンは、ティウのアドバイスで音楽部に勉強を教えることに。「時間が足りない」と、ティンとガンは1週間泊まり込みで勉強合宿をすることにした。ティンにとっては待ちに待ったドッキドキの2人だけの時間!ガンの笑顔やしぐさにいちいちときめいて、あれやこれや妄想しまうティンがカワイすぎる!
試験当日、ティンがガンに貸してあげたペンケースには「I THINK ABOUT YOU」。見事に全員が合格し、ガンたちはHot Wave音楽賞のエントリー書類に校長先生のサインをもらえました。どのシーンも皆が全力で青春している感じが、キラキラ輝いていて最高!
ところで、このドラマところどころ超人気タイBLドラマ「2gether」の高校生版みたいな雰囲気があるなと思って見ていたら、ガンが好きで聞いている音楽はなんと2getherでお馴染みのScrubb!試験勉強中にティンにイヤホンを渡して2人で聞くシーンなんかも出てきます。
新メンバーのソロギタリスト登場
なんとかHot Wave音楽賞への道はひらけた音楽部。でもギタリストが足りない。そこでガンたちはコンテストに向けてソロギタリストを探すことに。ちょうどそこにいいタイミングでやってきたのが転校生のサウンド。これがまた次なる波乱の幕開けだった!
サウンドはYouTubeで再生回数の多い人気のギタリスト。学校では何でもできるイケメンで、かつてはティンのライバルだった。サウンドはちょっとした勘違いから「お前たちをHot Waveに連れてってやる!」と音楽部に勇んで入部したものの…チンチラのバンドとしての完成度がまだまだで、イライラするサウンドに、ガンは「リーダーを代われ」とまで言われてしまう…。
サウンドの登場で揺らぐ音楽部の友情と絆。サウンドの力を借りればチンチラがバンドとしてもっと成長できると信じるガンは「サウンドをリーダーにできないなら退部する」と宣言し、しばらくの間、ティンと一緒に生徒会で謎の「執事ごっこ」なんかしながら学園祭の準備にあたる。
それでもやっぱりチンチラにはガンがいないと始まらない!ティンに励まされ、バンドの仲間に迎えられて、サウンドをソロギタリストに迎えた新生チンチラが誕生する。これぞまさに青春100%!そして、学園祭が終わった後、生徒会室でセルフィーを取るティンとガンは小指を繋いで急接近!?ますますニヤニヤが止まりません…!
高校生活は一度きりだから…
ティンもガンも仲間たちも高校三年生。「進路選択」という大きな岐路に立っている。大学に進学するにせよ、自分は将来何になりたいのかを真剣に考える時期に来ている。ティンは医者に、ガンは歌手になることを夢見ている。チンチラの仲間たちもそれぞれ進む道を考えていて、受験勉強もしないといけない。みんなで目標にしてきたHot Wave音楽賞と受験勉強の両立ができるのか、誰もが不安を抱えていた。
「どうして歌手の道に進もうと思ったの?」。歌手を目指しているガンに、オーディションの練習としてティンが聞く。実は、氷菓子店を営むガンのお母さんは若い頃、歌手になるのが夢だった。でも、両親に反対され、歌手の彼氏を見つけた。ナイトクラブで歌っていたガンのお父さんは、レコードを出す直前に亡くなった。そんな両親の夢を叶えたいと、ガンは歌手を目指していた。
真面目なティンがガンに恋に落ちたのは、ある日、たまたま立ち寄った氷菓子店のライブステージで歌うガンの歌声に心奪われたからだった。その日はティンの誕生日。両親は仕事で忙しく、1人で寂しい思いをしていたところに、ガンの澄んだ歌声が聞こえてきた。この時、ティンは恋に落ちた。ガンの夢を応援したいと思った。
ティンはティンで、母親に言われるがまま医者を志していたが、ガンのお母さんが過労で倒れたのをきっかけに、愛する人を看病できる医者も悪くないと思い始める。こうして、それぞれ一度きりの高校3年生を悩みながら、進んでいく。
生徒会長野郎!とチンチラベイビー
徐々に距離が縮んでいくティンとガン。思わぬ瞬間にプールサイドで、ティンの「好きな人が音楽部にいる」とガンに知られてしまった!ティンは、ガンに「好きだ」と言う前に気づかれてしまったと焦るが、当のガンは自分のことだとは思っていない様子で「音楽部の誰が好きなんだ?」と聞いてくる始末…。
と思っていたら…実はガンはガンで、本当は気づいているのに、ティンの前では気づいていないフリをしていた!…ここにきて2人のもどかしさが爆発!ガンは「友達への密かな片想い」を歌った歌を聞きながら、ティンとの色々なシーンを思い出してしまう…。そして、確信する!
第6話、音楽部のみんなでHot Wave音楽賞の応募作品に「Friend Zone」を描いたミュージックビデオを撮るシーンでは、「友達」のはずのガンがティンにBL感を全面に出した演技をしすぎてティンを戸惑わせてしまいますが、それに続くプールサイドでのセリフがイイ!
ガン:聞いてくれよ。話してくれよ。
ティン:あぁ、俺のせいだよ。お前の友達になろうとした。けど無理だ。お前のことが好きなんだよ。友達のふりなんて、どうしてできる?
ガン:お前は、俺ができると思ってんの?俺が何も感じてないと思ってる?お前にわかるか?どれだけ大変だったか。今日、友達みたいにふるまうのが。
ティン:そんなに大変ならただの友達でいるのをやめればいい。
その通り、「ただの友達」をやめればいいんですが…そうはいかないんです!音楽部のルールで、Hot Wave音楽賞で優勝を勝ちとらない限り、恋人を作ってはいけないんです!ティンはそれを知っていて、なんとしてもガンにHot Waveで優勝してもらうために、生徒会長の立場を「利用」して応援していたんです!
音楽部の「鉄の掟」
ドラマ中でもなんてバカバカしい掟なんだとみんなが言っていますが、その心は何かといえば、恋愛にのめり込んでしまうと、好きな人のことばかりを考えてしまい、音楽という自分の目標を見失ってしまうから、というもの。ガンが言っていましたが、最初はみんな「軽い気持ち」でスタートしているので、必ずしも「厳しい規則を守って高嶺を目指そう」という気概があるわけではないんです。
ソロではなくバンドで、ひとりではなくチームでゴールを目指すことの難しさは、部活も実社会も同じ。みなが同じ方向を向いて、足並みをそろえて、気持ちをひとつにしていかないと、ゴールは達成できないんです。ただ、ガンが部長として英断だったのは、多数決でみんなの意見を聞いたこと。
そして、高校生のみんなにとって大事なのは「好きな人がいると頑張れる」と気づいたこと。もちろん、夢に向かって一緒に進んでいける「大切な仲間」も!
HOT WAVE 音楽賞
1週間の学校合宿を経て迎えたHot Wave音楽賞。合宿中もいろいろなことがあったわけなんですが、ティンとガンは無事に「FRIEND ZONE」(フレンドゾーン)を超え(すぎ)ることなく、チンチラは練習に打ち込み、ついにその成果を披露するステージに!でもこの日は、ティンが受験する医学部の教授(面接官)が学校に講演にやってくる日で、挨拶をしにいかなければならなかった…。
どうする、ティン!ーー音楽祭のステージではすでにチンチラの演奏が始まっていた。会場に応援にいけないことはガンに伝えていたけれど、でもどうしても応援に行きたい!どうして医学部を志望しているのか、理由を考えていて思い出すガンとのプールサイドでの会話。いてもたってもいられないティンは、教授への挨拶を放り出し、夢中で会場へと駆け出す。
なんとかチンチラの演奏に間に合ったティン。ステージのガンも会場にいるティンに気づく。演奏は最高の出来で、チンチラは次のラウンドへと駒を進めることに!これでまた夢に一歩近づいた音楽部のみんな、輝いてます!
サウンドとウィン
ティンとガンのストーリーと並行して進んでいくのが、サブCPのサウンドとウィン。天才ギタリストのサウンドと、ごく普通の高校生のウィンは、出会ってからいつも会うたびにぶつかってばかり。それが徐々に…恋心に変わっていきます!
Hot Wave音楽賞に提出するミュージックビデオを撮影するシーンでは、2人きりでバドミントンの練習をしたり、実際の撮影ではメダル越しにキスしたり…。夏休みに音楽部と生徒会でビーチに泊まりがけで旅行に行くシーンでは、サウンドがウィンのために自作の歌を作って、「お前がドキドキするまで口説き続けてやる!」と宣戦布告!こちらもこちらでカワイイ!
LET ME TELL YOU
新学期が始まり、ついに迎えたHot Wave音楽賞の決勝当日。チンチラのメンバーが会場に到着したのに、ガンの姿だけ見当たらない。というのも、髄膜炎で倒れたガンのお母さんの手術の日と重なってしまったからだった。「母さんがいなかったら、どうやって生きていけばいい?」と、お母さんを気遣って手術を待とうとするガンに、「お父さんが言ったことを覚えてる?何を教えてくれた?」とお母さんが言う。
「歌手は観客を見捨てない」ーー。この言葉を胸に、ガンは不安を抱えながらもコンテスト会場へと急ぐ。そして、チンチラの仲間とステージへ。力を貸してくれたすべての人に感謝の気持ちを込めて、マイクを握り、歌う…。
輝く光が見えないとき 一日中導いてくれる君の手に気づいた
負けることもあるだろう でも大丈夫さ 君のおかげでやり直せるから
君に伝えたいんだ 君がいるからがんばれるんだ
止まらないよ 僕には君がいるから
君に伝えたいんだ ずっと一緒にいてくれてありがとう
どんな困難にぶつかっても怖いものなしさ
最優秀高校バンドの発表の瞬間、誰もがチンチラの優勝を信じた。しかし、チンチラは選ばれなかった。高校生最後のコンテスト。夢に敗れて、終わってしまった。そして、ガンは…歌を歌えなくなってしまった…。
もっとうまく歌えていたら、もっといい曲がかけていたら、もっと早く会場に着いていたら…。ガンの頭の中でグルグルと繰り返す後悔の念。全力を尽くした分、全力で燃え尽きてしまった。
燃え尽きたのはガンだけじゃなかった。チンチラのメンバー皆が、自分のせいで負けたんだと感じていた。必勝祈願に行ったお寺へのお礼参りでは、つい尖った空気からケンカに…。でも最後に気づく。音楽部に入部して、最高の仲間と一緒に時間を過ごせて、後悔はないと…。
夢に挫折はつきもの。挫折は人生で幾度となくやってくる。それを乗り越えて、人は少しずつ成長していく。それがわかっていても、若者が夢に敗れる姿を見るのはツラいもんです…(ドラマですが!)。だからこそ、一生懸命に何かに向かう姿はカッコいい。
高校最後のプロムナイト
ずっとこのまま今が続けばいいのに…と思っても、無情にも楽しい時間はいつか終わりがやってくる。ティンとガン、そしてチンチラの仲間たちは高校3年生。卒業して、それぞれの道を歩む時がやってきた。高校生活最後のプロムナイトに、チンチラが最後の演奏に臨む。
学校では、ティンとガンの #MySchoolPresident ( #俺の生徒会長 )にシッパーたちが大騒ぎしていた。両親にガンのことを話せずにいたティンが「俺たちは怖がりすぎていたのかもしれない」というほど、周囲は2人をありのまま受け入れてくれた。もちろん、そうじゃない大人もいた。実際、間違った常識や偏見を持ったまま大人になった人たちが、この社会を生きにくくしている。
それでも、他人の言うことなんか気にしなくていい。人にどう思われようが、そんなことは重要じゃない。大事なのは、自分が誰を好きなのか、自分は何がやりたいのか。その気持ちを大切にし続けることなんだと思う。
というわけで、GMMTVのタイBLドラマ「My School President」は、最初から最後まで全力で高校生活を駆け抜けたティンとガンのとっても素敵な青春ストーリーで、元気いっぱいでキラキラ輝く高校生たちの姿に明日の希望を見た気がします!
本当に観てよかった!ぜひ、誰かに伝えたい思いがある世界中の人に見てほしい作品。
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