おすすめ度:★★★☆☆
One31でタイドラマ「Sassy Matchmaker」(2023年)を観ています。サイアム王朝時代のタイを舞台にした警察官リットと「縁結び」を生業とするタップおばあちゃんの孫娘ノリーのラブコメ時代劇。
タップおばあちゃんの孫娘ノレー
主人公の女の子ノリーは、街一番の「マッチメーカー」のタップおばあちゃんの孫娘。幼い頃に母親を亡くしていて、タップおばあちゃんに育てられた。ノリーは、サイアム王朝時代には珍しい外国人とのハーフで、肌の色が白かったり、容姿がサイアム人離れしていることで「変な子」「白い子」と後ろ指を刺され、子どもの頃はいじめられていた。
タップおばあちゃんが言うには、娘であるノリーのお母さんが外国人に恋をして、その後コレラで亡くなってしまっただけのこと、というのですが、どうもノリーの出自には何やら隠された秘密がある様子。そんなノリーを演じているのは、タイ人とドイツ人とのハーフ女優、シャーロット・ワシタ・ヘルメノー(Charlette Wasita Hermenau)。
外国人とのハーフであることがドラマのポイントにもなっていて、冒頭から結構あからさまな差別といじめが続きますが、そんななか泥棒事件のどさくさに巻き込まれたノレーは、犯人逮捕のために現れた1人の警察官に出会い、一瞬で恋に落ちてしまう。
独身の警察官リット
ノリーの片想いの相手は警察官のリット。独身の40歳で、とてもまじめで街の人から信頼もあり、しかもイケメンでお金持ち。マッチメーカーのタップおばあちゃんは、リットにベストマッチの女の子をおすすめしようと躍起になる。
リットは幼い頃、王朝に反乱を起こした中国人に家族を殺害された過去がある。警察本部では、上司から今また中国人の反乱が起きているプラ・ナコーンに行くように命じられる。まじめな性格で、仕事に一途。周囲が結婚を勧めるも、リットにはまったくその気がない。
リット役を演じているのは、「サリーの呪い」のシーン・ジンダチョット(Sean Jindachot)。サイアム時代の民族衣装姿が光ってます。これが時代劇のいいところ!
マッチメーカー
タイトルにもなっている「マッチメーカー」ですが、結婚したいと思っている人の依頼を受けて、結婚相手をおすすめすることを生業にしている「縁結びのプロ」みたいなもので、めでたく結婚が成立すると依頼者から成功報酬がもらえるようです。
昔の日本で言う「おせっかいな親戚のおばちゃん」とか「仲人さん」とか「結婚紹介所」とか、そういった感じに見えるのですが、本当にこんな仕事がサイアム王朝時代にはあったのかな??
タップおばあちゃんはそのマッチメイキングの腕がいいそうで、たくさんの人から依頼を受けているというすごいおばあちゃん。
人は生まれながらにしてみな平等
エピソードが進んでも、あいかわらず肌が白いノリーに対する周囲の偏見が続くわけなんですが、それでも強く、前向きに生きるノリー。そんなある日、タップおばあちゃんが他人の悪口に耐えかねてこう叫んでしまう。
「人は、どんな生まれかなんて、関係ない!」と。
タップおばあちゃんはノリーに「自分の孫娘」だと言って育ててきていましたが、実はノリーとは血が繋がっていなかったんです。ある夜、お腹の大きな女性がとても苦しそうにしているの道で見かけ、ほっとけなかったおばあちゃんが家に連れてきて、後にノリーを出産。その後、命を落としてしまったお母さんに代わって、タップおばあちゃんが親代わりにノリーを育てていただのでした。
有名なミュージカル映画「王様と私」にもあるように、イギリスとの交流を始めた頃のサイアム王朝には当時たくさんのイギリス人がいたようで、おそらくノリーのお父さんもイギリス人。形見の懐中時計を大切にノリーは生きていくのですが、タイドラマのなかでも特に時代劇は、こういう人としての優しさに溢れています。そこがイイ!
潜入捜査から始まる恋
「マッチメーカー」がテーマのこのドラマ、かといって、別にリットとノリーがタップおばあちゃんにマッチメイクされるわけではないのがちょっと不思議。出会いも「お見合い」のようなマッチングではないし、お互いを意識するのも、ちょっと喧嘩してしまうのも、マッチメイキングとは特に関係ないんです。
シリーズが進むにつれて、リットとノリーを取り巻く状況もどんどん複雑になりますが、二人のシーンで流れるタイらしい伝統音楽がとても素敵。でも、その割にはオープニングOSTが普通にヒップホップだったりします!それはそれでカッコいいし、おもしろい!
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