おすすめ度:★★★☆☆ 嫌いな人にだけ贈ることができるギフトがあったら、あなたは誰に贈る?
GMMTVのタイドラマ「A Gift For Whom You Hate」(2019年)を観ています!タイトルにもある通り、このドラマで描かれているのは「嫌いな人への贈り物」をめぐる世にも奇妙なサスペンス。妬みや恨み、嫌悪に憎悪…ネガティブな感情に襲われた人たちに芽生える攻撃的な感情が、次々と残酷な事件を引き起こす…。どこまでも退廃的な作品。
奇妙なギフトショップ
不気味なマスクを被った男が経営するギフトショップでは、「嫌いな人」にだけ贈ることができるギフトを売っている。そこに高校生たちが足を踏み入れてしまったことから、次々と奇妙な出来事が起こり始める。
選べるギフトにはレベルが4段階。ギフトを受け取った相手に嫌がらせをしたり、怖がらせたりする程度のものから、実際に傷つけたり、死に追いやったりするものまで、憎しみ度合いに応じてギフトを選ぶことができる。
このギフトショップに最初に足を踏み入れたのは、女子高校生のプラン。人気アイドル歌手になることを夢見て芸能活動を始めたばかりの女の子。
ある朝、プロイとクラスメイトが学校に行くと、通りかかった先生が急に泡を吹いて倒れ込み、そのまま亡くなってしまう。現場を目撃したプランたちは、警察にも状況を聞かれるが、一体何が起きたのかよくわからない。
もしかして、誰かがあの闇ギフトを贈ったのか…。復讐が復讐を呼ぶ恐怖の学校生活が始まった…。
アイドルを目指すプランを演じているのは、アイ・サルンチャラ・アピサマイモンコル(Aye Sarunchana Apisamaimongkol)。GMMTVのタイドラマ「A Tale of Thousand Stars / 千星物語」(2021年)で、ボランティア教師のトーファン役を演じていました。
いつもプランを助けてくれる兄ナム役は、GMMTVのタイBLドラマ「Sky in Your Heart」のメーク・ジラキット・ターワンウォン(Mek Jirakit Thawornwong)。
嫉妬、嫌悪、憎悪
このドラマで描かれているのは、嫉妬や憎しみ、嫌悪感や激しい憎悪といった誰もが抱く「負の感情」をいかに解消させることができるのか、といういわゆる「人間の醜い部分」。
妬む相手をいたぶったり、恨む相手を辱めたり、嫌う相手を傷つけたり…。人は感情的になると、どこまでも残酷になることができてしまう。
プランに片想いをしているクラスメイトの男の子オートは、プランに好きな気持ちをわかって欲しくて、プランにしつこく迫ってしまう。友達として仲良くても、プランに気がない以上、一途な思いはストーカー行為でしかない…。
そして、プランに気持ちを弄ばれたと感じたオートは、嫌いな人への贈り物に手を出してしまう。オート役を演じているのは、GMMTVのタイBLドラマ「SOTUS S The Series / ソータスS」(2017年)にも出演していたフィアット・パッチャタ・ジャンゲオン(Fiat Patchata Janngeon)。
目には目を、歯には歯を
最初はプランたちの学校で嫌がらせが続く学園ドラマかと思ったら、シリーズが進むにつれて、彼女たちの家族やその周辺の大人たちを巻き込んだ復讐のための復讐劇になっていきます。なんとも恐ろしい…。まるで「目には目を、歯には歯を」のハンムラビ法典か…。
ギフトショップの店長が言うには、この店は人の心に「憎悪」の感情が芽生えた時に、その人の前に現れるのだとか。要するに、ギフトショップがそうさせるというより、憎悪を抱いた人が自らギフトを選んで買っていく、そういうことなのかな。
次々と起こる事件を読み上げるNEWSチャンネル1のニュースキャスター役に、「Love Beyond Frontier / 地平線を超えた愛」のナムターン・ティパナリー・ウィーラワトノドム(Namtan Tipnaree Weerawatnodom)。
プロイのバースデーケーキ
プランの友達プロイは誕生日に実のお父さんからバースデーケーキでお祝いされる。しかし、そのケーキは実はレベル4の「嫌いな人への贈り物」だった。政治家で次期首相候補の父親は、「プロイの死が国のためになる」と言い聞かせて、ケーキを食べさせた。
プロイはある日、不注意で交通事故を起こし親子3人を死傷させていた。どうしても首相になる目標を叶えたい父親は、その事実を隠しつつ、さらに選挙で首相に選ばれるためのプラス材料に変えようとしていた。
レベル4のギフトが贈られた相手にもたらすのは「死」。プロイはケーキを食べて、死んだ。娘プロイの葬式を前に、涙ながらにメディアの取材に応え正義を訴える父親。もうここまで来ると、残酷すぎて異常です…。ちょうど「イカゲーム」みたいな意味のわからない残酷さ…。
0コメント