おすすめ度：★★★★★ 冴えない高校生の愛おしき青春ドラマ
GMMTVのタイドラマ「My Dear Looser: Edge of 17」（2017年）を見ました！あの大人気俳優ナノンが冴えないいじめられっ子の高校生オーを演じている青春＆学園ドラマ。まるで「のび太」みたいなナノンが、同級生のキラキラ女子ピーチに恋し、友だちと楽しい思い出を作り、つらいことにもめげず、毎日を明るく自力で乗り切っていくストーリー。かつてこんなにも愛らしいタイドラマがあっただろうかと思えるほど、見る人を元気にしてくれる作品。文句なしのおすすめ５つ星！
キャスト：今をときめく人気俳優たちの高校制服姿
このドラマの魅力のひとつに、今をときめく人気のタイドラマ俳優たちの2017年から2018年当時の姿が見れるという点があります！2022年の今は大学生役か社会人の役をこなしている俳優たちが、まだどこかあどけない表情でタイの高校生の制服を着ている姿が、なんとも可愛らしくてうれしい！みんな若いけど、この時からすでに才能に溢れていて、光ってます。ほんとに。
- 冴えない「キノコ頭」のオー：ナノン・コーラパット・クッパン
- 学校一の人気女子ピーチ：ジェーン・ラミダー・ジーラノラパット
- 転校生サン：チモン・ワチラウィット・ルーアンウィワット
- いじめっ子から仲間になったイン：プルーム・プリム・ラッタナルーァンワッタナー
- クラス委員アイナム：プイメック・ナパソーン・ウィーラユッタウィライ
- 学校一のモテ男子コッパー：プラスター・ポーンピパット・パッタナセッターノン
- オーの憧れの先輩ポン：リー・ターナット・ロークンソムバット
キノコ頭と土管太郎とピーチ姫
ナノン演じるオーは、丸いメガネをかけて、前髪はパッツン、学校のみんなから「キノコ頭」と呼ばれいじめられているんですが、実はコレ、ただのあだ名ではなく、このドラマ全体を通しての「スーパーマリオ愛」を象徴したものなんです！
実際オーも、憧れの女の子ピーチに「マリオのオーだよ」って自己紹介するシーンがあり、その後も運動会では応援合戦でピーチがピーチ姫の役を演じたり、オーがピーチへのプレゼントにキノコのペンダントを買ったり。なんとも愛らしい！
ピーチはどこの学校にもいる明るくてかわいいモテ女子。学校一のモテ男子コッパーと付き合っていて、Facebookやインスタには2人のファンページまで。しかし、キラキラ女子にアンチはつきもの。コッパーファンの女子から誹謗中傷や嫌がらせを受けています。
そんななか、ピーチと仲良くなりたいオーがFacebookに匿名アカウント「土管太郎」を作ってピーチをチャット。土管太郎のネーミングセンスにはホント脱帽です！
オー、ピーチ、コッパーの三角関係
このドラマでは、オーやピーチの高校生活を軸に、主に二つの三角関係が同時進行で進んでいきます。一つは、オー、ピーチ、コッパーの三角関係。オーはピーチに片想い、ピーチはコッパーと付き合っているけどキノコ頭のオーがかわいくて一緒にいると楽しい、一方のコッパーはカッコよくて運動神経も抜群の人気者なので学校で、一番かわいいピーチと付き合うのが当然だと思っているイヤな奴。
キノコ頭でいじめられっ子のオーは、ピーチが自分に振り向いてくれる日がくるなんて思ってもいないけど、ピーチはピーチでコッパーの言動についていけず、少しずつ感情のズレが大きくなっていきます。お金持ちの家に育ったコッパーは望めばなんでも手に入り、誰もが自分の言うことを聞くので、それが当たり前だと思い、いろんなことが目に入らず、大事なことが理解できない。
サン、イン、アイナムの複雑な人間関係
もう一つの三角関係は転校生サン、いじめっ子イン、クラス委員の女子アイナムの三人。こっちは実はオーたちよりももっと複雑で繊細。転校生のサンは転校してきたその日からオーを助けたがために自分までもコッパー率いる「ビッグ５」のいじめにあうことに。インはコッパーとつるんで、オーとサンをいじめて喜んでいる。中学の頃からインを知るアイナムは、インのサンいじめを止めようとしますが、うまくいったりいかなかったり。
インのサンいじめは最初はかなり陰険だったのですが、インがコッパーのグループからハブられたことをきっかけに、少しずつサン、アイナム、オーの友達の輪に溶け込んでいきます。そう、いじめっ子はいじめられて初めて、その痛みがわかるんですね。
いつしかこの三人で一緒に遊ぶことも増えていくのですが、アイナムは次第にサンに惹かれていき、サンは人なつっこいインに惹かれていき、インはしっかり者のアイナムに惹かれていく…みごとに全員片想いです！
誰もがオーだったあの頃
このドラマがこんなにも愛おしく感じるのは、オーの愛らしいキャラクターがとてもいい形で表現されているところに尽きると思いますが、同時にもうひとつあるとすれば、このドラマを見る誰もがかつてはオーだったんじゃないかと思う点です。
自分なんか何やってもダメだと思ったり、好きな子に好きだと言えなくてそっと片想いするだけで幸せと思ったり、なりたい自分になれなくて悩んだり、コンプレックスを克服しようとして別人のように振る舞ってみたり。「自分は負け犬」みたいな感情に襲われることって、普通に生きていれば誰しも経験あるんじゃないかな。
そんな冴えないオーが「タイ語の日」のクラス演劇や運動会、クラブ活動、クラス旅行を通して、傷つきながらも少しずつカッコいいオーになっていく。イケてる子たちとつるんでいれば勝ち、そんなキラキラした「勝ち組な高校生活」は誰しも一度は憧れるけど、でもやっぱりそれってなんだか空っぽで虚しい。
ダサくても、オタクでも、ドジでも、頼りなくても、気の合う仲間と、時には助けあいながら、一緒に楽しい思い出を作るほうがよっぽどいい！
勝ちたければ、戦え
ある日、キノコ頭のオーにやってきた転機。それは、二週間の停学処分になった時に出会ったポン先輩。とてもカッコよくて、オーはすぐに「ポン先輩みたいになりたい」と憧れるように。「勝ちたければ、戦え」とポン先輩に教えられたオーは前髪を上げてイメチェンし、新しくトランポリンに挑戦し、コッパーとケンカしても逃げず、運動会では金メダルを獲得。そう、誰しも、なりたい自分になれるんです。
とはいえ、学校一イケてる男子コッパーとの戦いはそう簡単にはいかないし、ピーチは思わせぶりだし、クラス旅行では傷つくし… オーの恋路は困難だらけ。それでも、マリオはピーチ姫を助けに行く！がんばれ、オー！と応援せずにはいられません…！
悲しいバレンタイン
このドラマを見ていると、自分が好きな誰かが、同じように自分のことを好きだと思ってくれているって奇跡なんだな…と思えてきます。だからこそ青春って、甘酸っぱくて、ほろ苦い。学校中でハートのシールを張り合うバレンタインデー。インは思い切ってアイナムに告白しますが、インとサンの関係に気づいていたアイナムは、インに後悔しないように自分の気持ちに正直になるように進言します。
いるんじゃない？あなたが好きなものと嫌いなものをよく知ってくれている相手が。
いるんじゃない？しばらく会えないだけで気になる相手が。
いるんじゃない？その行動がいつも気になる相手が。
いるんじゃない？メッセージに返信が来ないとムカつく相手が。
いるんじゃない？新しいものを手に入れたら一緒に楽しみたい相手が。
いるんじゃない？そばにいると落ち着く相手が。
自分の心に正直になる方法
インはクラス旅行の夜、サンの自分への気持ちを知りますが、アイナムのことが好きだとサンの気持ちを拒否。その後、気まずいサンは徐々にインを避けるようになり…「可能性がないなら、自分に構うな」とインに告げてしまいます。それでも仲直りして、前みたいに一緒に時間を過ごしたいインの揺れる心を描いた切ないBLシーンが。
イン：本当にいい友達だったんだ。親友と言ってもいい。でも突然、俺のことを友達以上に思ってるって。そんなのわからないよ。
アイナム：イン、聞きたいの。サンのことどう思っているか。
イン：好きだよ……。そばにいてくれると、あいつと離れたくない。一緒に生きていきたい。でも俺はゲイじゃない。
アイナム：イン、こういうの聞いたことある？実際のところ、ゲイかレズなんて関係ないの。彼らだって他の人を愛する誰かなの。
イン：わからないよ。どうすればいい？
アイナム：自分の心に正直に。なんだって幸せになれる方法を選ぶのよ。よく考えてみて。
そしてドラマの最後、アイナムの計らいでショッピングモールの一角で一緒になったインとサンが座って話すシーン、とってもよかった！このストーリーが「Our Skyy EP2 「君と一緒の景色」イン＆サン編」へと続いていきます。このスピンオフはBLドラマでの展開です。
My Dear Loser OST
このドラマの主題歌。このミュージックビデオにオー、イン、サンの３人がドラマのキャラクターのまま登場しています。英語のタイトルがいまだに探せていないのですが（というか、タイ語なのでそもそもないのか）、元気いっぱいで見ていて楽しいのでこちらもぜひ！
ついでにイン役のプルーム・プリムが歌う挿入歌のミュージックビデオはこちら。プルームはバラードもいけちゃいます。GMMTVのスターたちは演技も歌もダンスもトークもマルチにこなさないといけないので大変。
というわけで、GMMTVのタイドラマ「Dear My Looser: Edge of 17 / マイ・ディア・ルーザー」はとってもおすすめの青春ドラマです！
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