おすすめ度:★★☆☆☆ 怖い!不気味!
タイ映画「ホームステイ ボクと僕の100日間」(2018年)を観ました!自殺を図った男子高校生のミンが、100日間の間に人生に再挑戦する不思議なストーリー。ミン役を日本でも人気上昇中のティーラドン・スパパンピヨー、パイ役をタイの国民的アイドルグループ「BNK48」のチャープランが演じていることで話題になったそうです。原作は、日本ではアニメ映画化もされた直木賞作家・森絵都の小説「カラフル」。
砂時計は残り時間
高校生のミンがある日、自殺を図り、搬送先の病院で死亡したところからこの物語が始まります。病院の霊安室で起き上がり、不気味な大人たちをすり抜けながら、雨の中、管理人だという男に「お前は当選者だ」「さまよえる魂に100日間で人生に再挑戦できる」と言われ、この世に押し戻されてしまいます。
管理人はミンに「あなたは体を借りている」と言い、砂時計を見せて「これはあなたの残り時間」「100日以内にミンの自殺の原因を突き止めなければならない」「それができなかったら魂は二度と生まれ変わることができない」「誰にも正体を知られてはいけない」と言われます。
100日間のホームステイ
ミンに生前の記憶はなく、自分がミンだったこともわからないまま、どうしたらいいか戸惑いますが、夜が明け、100日間の「ホームステイ」が勝手にスタート。周囲の人が誰かもわからないまま、体を借りているミンが生前、どんな家庭環境でどんな生活を送っていたのかを探っていきます。
しかし、なぜこの100日間が「ホームステイ」なのか?わかるようでわからないポイント。ホームステイは普通、自分の家族ではない別の家族の家で一定期間寝泊まりして一緒に暮らすことなので、ミンの体でミンのくらしを体験するということなんでしょうか?でも、ミンは自分の家族と暮らし、自分の通っていた学校に行くだけですので、なんか違うような…。
キャストにティーラドン&チャープラン
この映画は「バッド・ジーニアス 危険な天才たち」(2017年)の制作チームが、御曹司を好演したティーラドン・スパパンピヨーを主役に、再度作り上げた作品だそうで、映画のシリアスな空気感や思春期の高校生の毎日にスポットライトを当てた感じなどに共通点があります。
ミンと同じ高校に通う秀才のガールフレンド・パイ役をタイの国民的アイドルグループ「BNK48」のチャープランが演じています。チャープランはBNK48のキャプテンで、総選挙1位なんだとか!
ミンが自殺した本当の理由
ホームステイ97日目、徐々に生前のミンの暮らしや家族との関係などが明らかになるにつれて、自殺の理由も見えてきて…。突然おかしなサプリ会社を始めたお父さん、唯一信頼していたのに隠れて不倫しているお母さん、仲良くできないお兄さん、科学オリンピックに出場するために先生と怪しい関係を続けるパイ…。それぞれがミンを死に追いやった、との結論に。
しかし、答えははずれ…。そう、この世界は辛いことばかり、人が前向きに強く生きるか、あるいはすべてを投げ出して死を選ぶか、最後の最後は誰のせいでもない、自分の意志。家族や恋人とはいえ複雑な人間関係の中で、何をどう捉えてどうしていくか、すべては自分次第なんです。
ちょうど100日目に、そんな大切なことに気づいたミンは、自分の姿をした管理人に人生をもう一度やり直すチャンスをもらう…。
思春期の若者の苦悩を、ミンの自殺をモチーフに、ちょっと不気味なテイストで描いた作品です。
0コメント