タイBLドラマ「I Promised You The Moon / 僕の愛を君の心で訳して」(2022年)おすすめ キャストとあらすじ

おすすめ度:★★★★☆ 大人になるとはどういうことかを教えてくれる傑作BLドラマ


Rakuten TVでタイのBLドラマ「I Promised You The Moon / 僕の愛を君の心で訳して」(2022年)を観ました!前作「I Told Sunset About You / 僕の愛を君の心で訳して」(2021年)で大学進学を決めたテーとオーエウのその後が描かれた全5話のドラマ。監督が変わったからか、前作からの続編シリーズでありながら、まったく別の物語を見ているかのような感覚になるだけでなく、期待して想像する方向に進んでいかない展開に胸が苦しくなる作品。


変化、成長、大人になる

前作では高校生だったテーとオーエウが大学生になり、「成長する」「大人になる」とはどういうことかを、2人の「変化」とそれを「受け入れること」を通して教えてくれます。前作にいき続き、なかなか出会うことのできないとても秀逸な作品(完結編)。非常におすすめ。


ただ、前作が他に類を見ないほどの「感情の嵐」だったので、そこから没入すると少し「あっさり」しすぎている点に物足りなさも感じます。やはり、監督が変わったのが大きいのかな。


PKBBプロジェクト

プーケット出身で中学高校と幼馴染みのテーとオーエウ。前作に引き続き、テー役をビルキン・プッティポン・アッサラッタナクン(Billkin Putthipong Assaratanakul)、オーエウをPPクリット・アンムアイデーチャコーン(PP Krit Amnuaydechkorn)が演じています。


「BKPPプロジェクト」と呼ばれるこのシリーズは、別のドラマシリーズ「My Ambulance」で人気の出たビルキンとPPクリットを主人公にした新ドラマシリーズを作るというところからスタートしているそうで、シナリオも歌もすべてビルキンとPPの魅力を最大限活かすために作られたものだそう。この辺の話は、本編後のメイキング映像(第6話)で解説されています。


バンコクの大学生活で見つけた本当の自分

ストーリーはそれぞれ別の大学へと進学した2人のバンコクでの暮らしから始まります。新しい場所で新生活をスタートするなかで、時間のやりくりや人間関係など思うようにいかないことも多く、オーエウにいたってはあれほど望んだ芸術学部への進学だったのに、あっという間に「自分に俳優は向いてない」「他にやりたいこと、得意なことを見つけた」と、広告学部へ転部してしまいます。


前作ではオーエウのアナンタサート大学芸術学部合格への道のりが、あれだけテーの人生を大きく振り回すことになったのにもかかわらず、オーエウはあっという間に俳優になる夢も諦めてしまった。そのため、オーエウと一緒に俳優になることを夢見ていたテーはひどく落胆し、オーエウに対して冷たい言葉をかけてしまう…。パート1で、子ども時代のテーとオーエウが春節祭の中国語劇の後にケンカしたシーンとも重なります。


「変化」は「諦め」なのか?

テーはとても芯が強く、子どもの頃に心に決めた「勇健のような俳優になる」という目標に向かって、何をどう勉強していけばそこに辿り着けるかを考え、着実に前進していきますが、飽きっぽいところがあるオーエウはそうはなれない。


ある時点では好きだと思っていても、時間が経ち、状況が変われば、その気持ちにだって変化は現れるもの。それがいいこともあれば、そうでないこともあるし、自分以外の人にしてみれば、「新しい何かを見つけた」と好意的に感じる人もいれば、「ただ飽きただけ」「ただ諦めただけ」「もともと本気じゃなかった」と感じる人もいる。


「変化」は「間違い」なのか?

でも、それはきっと「正しい」とか「間違っている」とか、そういうことじゃない。なぜなら、人の気持ちは常に変化していくものだから。でも、夢に向かって進んでいくテーには、オーエウの気持ちの変化をなかなか理解することができない…。


ただ、それも見ている方としては、テーの気持ちも痛いほどよくわかります。人は多かれ少なかれ、自分の夢や目標との距離感を掴むのに苦労して、もがいて、奮起して、挫折して、妥協して、「諦めるのとは違う」と自分に言い聞かせながら「現実的な道」を選んだり、そんなことを繰り返して、少しずつ大人になっていく…。


永遠を誓った愛は「変化」するのか?

この続編ドラマのなかで描かれる「変化」には、テーとオーエウそれぞれの将来の夢だけでなく、2人のお互いを思う気持ちにも現れます。


お互いあんなに大好きで、プーケットのプロムテープ岬で沈む夕日に永遠の愛を誓ったのに、一緒に時間を過ごす仲間が変わったり、自分と同じ目標に向かって努力する魅力的な先輩に出会ったり、それぞれの道を歩むうちにふとしたことですれ違ったり…。


お互いを思う気持ちも時間と状況によって、時に強弱は変化する。それが一時的の時もあればそうではない時もあるかもしれないし、それがきっかけで別の方向へ向いてしまうこともあるかもしれない。でも、その変化がいつどこで起こるかなんて、誰にもわからない。それと同じくらい心の変化が起こるも怒らないも、「絶対に」なんて誰にもわからない…。


オーエウの心情の変化は、広告学部への転部や髪を赤く染めたりと行動に現れてとてもわかりやすかったのに対し、テーの心の「変化」はそうではありませんでした。それを敏感に感じ取ったオーエウ。前作ではテーに比べて子どもに見えたのに、続編ではオーエウのほうがなんだか一足早く大人へと成長しているようでした。


一瞬の気持ちの変化をなかったことにはできない

衝撃的なチャイ先輩との稽古シーンが、オーエウを深く傷つけてしまうことになるのですが、この世界は本当に魅力的で素敵な人で溢れているし、あの瞬間、冷静に考えて誰が好きとか、そういうこととは全く別の次元でチャイ先輩に心を奪われてしまったテーのこと、実際には理解できない人なんていないと思います。


でも、そんな一瞬の出来事が、歯車を大きく変えてしまうのが人生。一瞬の過ちだろうと、一回きりの出来心だろうと、その「変化」をなかったことにはできない…。


チャイ先輩のテーとの個人レッスンは本当に卒業作品のためだけだったのか?「演技」という得意な状況で起きたことなので、その答えはあるようでないし、ないようである、そんな曖昧なままになっていますが、どちらかと言えば、あの瞬間、チャイ先輩はテーに惹かれていたと信じたい…。


心の傷は時間が癒してくれることもある

チャイ先輩に心を奪われてしまったテーの気持ちも決して報われることはなく…。現実はあまりにも辛い、辛すぎる…。でも、心の傷は、時間が少しずつ癒してくれる。時間がかかったとしても、いつか昔を振り返ることができる時がくる…。


オーエウが心の傷を癒すのに一年以上もかかりましたが、社会人になって職場でテーと再会後、インスタグラムに届いたまま未読になっていたテーからのメッセージを読み、テーの真摯な気持ちに心を動かされることになりますが、もし、そのメッセージを受信した時に読んでいたら、オーエウは心を動かされなかったかもしれない。時が経ち、傷が癒えたからこそ、テーの優しいメッセージをそのままに読むことができたのだろうと思います。


旅立ち、成長、そして元いた場所へ

バンコクへと生活の拠点を移したテーとオーエウには、プーケットにいた頃には想像もできなかったたくさんの変化が訪れました。テーはテレビドラマにキャスティングされ、夢を叶えて誰もが知るスターに。オーエウはマーケティングの才能を活かして希望通り広告会社に就職。テーと約束した俳優にはならなかったけど、だからといってそれは夢に破れたのとは違うし、嘘をついたのでもない。


テーもオーエウも大人になるにつれ、人の気持ちに「絶対」なんてないことを知り、最後にはたくさんの「変化」を受け入れ、乗り越えていく。そして、フン兄さんとのぞみさんの結婚式を機に、2人はもう一度元いた場所、プーケットへと戻る。そう、すべてが始まった場所、そこでテーとオーエウはすべてをリセットし、もう一度やり直すことを誓う…。


最終回、プーケットの海辺で、オーエウがテーに「永遠の愛は約束しなくて良い、ずっと変わらないなんて期待しない、ただ側にいたい。問題が起きたら話し合って解決する努力をしたい」というシーンがあります。「ただ側にいたい」と思う気持ち、それこそが高校生の2人が感じていた純粋で大切な気持ち。そう、それがあればいい。


「感情の嵐」から「大人の感情の対話」へ

パート1では、まっすぐで一生懸命な高校生だったテーとオーエウの心をえぐられるような「感情の嵐」に涙したのが、パート2では、より理性的で現実的な「大人の感情の対話」に心がしめつけられる思いがします。悲しいとか、切ないとか、そんな言葉が薄っぺらく感じてしまうほど、「大人になる」とはどういうことかを、テーとオーエウに教えられている気がします。


BKPPの表現力に拍手

パート1もパート2もビルキンとPPクリットの表現力の高さには本当に感服しっぱなしです。すでに大学生の年齢の2人が、パート1では高校生役を演じていたので「子どもっぽさ」を出す見事な演技にすっかり引き込まれていきましたが、2人の実年齢となったパート2では高校生時代の面影を残しながらも大人へと成長している姿をシームレスに見せてくれていて、本当にすごい。


BKPPが歌うパート2のテーマソング「Coming of Age」。このプロモーションビデオ(PV)なんですが、シリーズをすべて観た後で見返すと、パート1、パート2の全てのストーリーがここで1つに繋がっていることに感動!しかも、最初に家を出る中学時代のテーの着ている制服(オーエウと同じ紺色の制服)は、最初の「交差点」を渡るシーンからオーエウとは違う高校の制服に!これに気づいた時の自分が嬉しすぎました…。


特にQのマンションでテーがオーエウに謝るシーンはヤバかった…。高校生の頃に来ていたエメラルドグリーンに赤いハイビスカス柄のアロハシャツを来たテーは、プーケットから何も変わってない「あの頃のテー」を表現しながらも、ただ自分の正直な気持ちを伝えようとするだけでなく、相手の傷ついた心を理解しようとして心が苦しくて痛くてたまらないのにどうしたらいいかわからないテーの感情を見事に表現していたと思います。


というわけで、前作に引き続き、タイのBLドラマ「I Promised You The Moon / 僕の愛を君の心で訳して」はとてもおすすめの作品で、一気に見ずにはいられないドラマです!


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