おすすめ度:★★★☆☆ 気持ちや思い出は断捨離できない!
Netflixでタイ映画「ハッピー・オールド・イヤー / Happy Old Year」(2019年)を観ました!「こんまり流片付け術」の世界的注目ですっかり定着した「断捨離」。モノで溢れた暮らしに区切りをつけ、いらないモノは全部捨ててシンプルに暮らすミニマリスト生活のススメは、すべての場合に当てはまるのか?そんなことを考えながら、とりあえず散らかった部屋を片付けたくなる映画です。
主人公はミニマリストの女の子ジーン。スウェーデンに留学後、今はバンコクでシンプルで無駄のない家具のデザインを仕事にしているのですが、モノで溢れかえる自宅を整理し、自分のデザインオフィスにするために、母親の反対を押し切って、インターネットで服の販売を行なっている兄とともに一気に自宅の断捨離を進めていきます。
とにかく捨てる。なんでも捨てる。スーパーでカートいっぱいに買い込んだゴミ袋に、家中のものを詰め込んでいくジーン。本や雑誌はPDFで、CDは音楽データをダウンロードすればいいから捨てる。要らなくなった日用品だけでなく、思い出の品々も次々とゴミ袋に…。家を出て行ったお父さんのピアノも「もう誰も弾かないから」と捨てようとしますが、お母さんに猛反対されて捨てることができず…。
ゴミの回収業者に袋に詰めたすべてのゴミを引き取ってもらった直後、断捨離を進めたジーンの心境に変化が。「急に罪悪感が湧いた」と、すべてのゴミを取り返してきたのでした。
ジーンは、思い出はそう簡単に捨てられないことや、自分が贈ったモノを捨てられたら傷つくことなどに気づき、ただゴミとして捨てるのではなく、今あるモノを昔欲しがっていた人にあげたり、借りたモノを返したり、誰かに譲ったりすることでモノを手放そうとします。それを喜んでくれる人もいれば、そうでない人も…。
ずっと返せずにいた元彼のカメラも、本人の元へと届けにいくジーン。そうしたらなんと今度は、元彼がジーンが置いて行ったモノを段ボールに詰めて返してきた!
そう、モノが捨てられずに溜まっていくのは、そのモノに執着しているというよりかは、そこにいろんな人の思いが溢れているからなんですね…。つまり、要るか要らないか、という単純な二択ではなく、これまで関わってきた人の思いをスパッと捨てられるかどうか、なんですね。
ミニマリストでありつつも、断捨離ができずに悩むジーンを演じるのは「バッド・ジーニアス 危険な天才たち」のチュティモン・ジョンジャルーンスックジン。ジーンの元彼役として、サニー・スワンメーターノンが出演しています。
というわけで、タイ映画「ハッピー・オールド・イヤー / Happy Old Year」は、仏教の価値観でもある断捨離やこんまり流片付けに共感する人、思いきって部屋にあるモノを整理したいと思っている人、自分はなぜモノが捨てられないのかとヘコんでいる人にぜひ観てほしいおすすめの作品です。
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