おすすめ度:★★★★☆ 親の心子知らずを実感する映画!
Netflixでタイ映画「Oh My God Father! / なんと父よ!」(2020年)を観ました!レース中の事故で命を落としかけたカーレーサーのゴットが、事故をきっかけに過去にタイムスリップして、若い頃の父親プレムと出会うストーリー。父親には反抗的なゴットが、自分と同年代の父親に出会い、いつしか兄弟みたいな親友に。若い頃の父親を知り、徐々に息子を思う父の気持ちを理解していく感動コメディ作品。中国映画「乗風破浪〜あの頃のあなたを今想う」のリメイク版。
結婚前の父と母に出会う
カーレーサーのゴットは、レースで賞をとり、成功したレーサー人生を送っていた。そんなゴットがレーサーになることを反対した父親のことをゴットは尊敬できずにいた。ある日、事故がきっかけでタイムスリップしてしまった20年以上前の世界で最初に出会ったのが、若かりし頃の父親プレム。
二人で悪党とケンカしたり、プレムの実家に行ったり、12年間付き合っているプレムの彼女(若かりし頃のお母さん)の家に行ったり、一緒にデートしたり…。すぐにゴットとプレムは「親子」としてではなく、年の近い「友達」として一緒につるむようになる。一方で、ゴットの登場で12年間付き合った彼女ビウと微妙な感じになってしまったプレム。ゴットは彼女が自分の母親だと知り、二人を仲直りさせる。
ホットロッドとゴット
若い頃のお父さんは男3人組「ホットロッド」のリーダーとして、いろんなお店の「用心棒」をして収入を得ていた。「善人を悪党から守る」というのがプレムの目標で、ギャングではないけれど、3人はいつもあちこちでやんちゃしてばかり。本物のギャングと対決したり、警察のお世話になったりと、「若気の至り」としかいいようのない、どうしようもない毎日を送っていた。それでも、仲間のことは絶対に見捨てたりしない心優しいプレム。
ホットロッドとゴットの4人でギャングとケンカしたあと、皆で鍋を囲みながら夢の話をするシーンで、プレムに「お前の夢は何だ」と聞かれたゴットは「レーサーになりたい。でも父には反対されている」と答える。それを聞いて「最高じゃないか!」というプレム…。
ゴットが未来の自分の子どもとは知らないプレムではあるけど、やっぱり子どもの夢を応援しない親なんていないんです!どの親だって自分の子どもには夢を叶えてほしいと思うはず。その夢を反対するには、やはり訳があるんです…。
父と息子の会話
ゴットが見た若い頃の父親の姿は、自分が知っている父親とはまったく異なっていた。最初はそのギャップに戸惑うも、次第に、父親がどんな人物か、子どもを持ったらどうしたいか、母親を亡くして父と子で二人きりの生活になったらどうするか、とこれまでできなった話をする。そして初めて知る父親の思いと息子(自分)への愛情。この瞬間から、ゴットは父親のことが大好きになる。そして、自分の性格は父親譲りだと感じる。
存在が当たり前すぎて、なかなか素直になれなかったりすることもある父と子の関係。他人なら言えることが言えなかったり、思いやるあまり余計な気をつかってしまうことだってある。それでも父親は世界でひとりしかいない。大事なのは、ほんのちょっと素直になる勇気を持つこと、ただそれだけだったりする。
両親の結婚式に出席する
タイムスリップした過去で、自分の両親の結婚式に招待されたゴット。映画館を貸し切って行われたウェディングパーティーでは、プレムとビウの前で「大嫌いだった彼が親友になった」とスピーチし、「ビウの隣にふさわしいのはプレムしかいない」と。タイムスリップした過去ではゴット以外は、ゴットとプレムが親子だということを知らないけど、こんな親子関係があったらどんなに素敵だろう。
この結婚式の最中、事件が起きる。ホットロッドの仲間だったボーが単身ギャングの元へと乗り込んでいき、帰らぬ人となってしまった。仲間を何よりも大切にしていたプレムは、ゴットとともに敵討に向かう。倒れ込むプレムを見て、思わず「父さん!」と叫ぶゴット。「誰が父さんだ…」と言いながら、「子どもが生まれたら、男でも女でも『ゴット』と名付ける」と話すプレム。そこでゴットは自分の名前の由来を知る…。
気づいた時には
タイムスリップを通して、ゴットが少しずつ父親のことを知り、今の今までずっと誤解していたことに気づく。そして、現代の病室のベッドで目が覚め、事故後に昏睡状態に陥っていたことがわかるとゴットは心の底からこう思う。
大切なものの存在に気づいた時はいつも手遅れだ
しかし、過去にタイムスリップしたことで、その後の未来が変わっていた。父親は無事で、産後うつで自殺した母親は生きていた。気づいた時には手遅れ、なんてことはない。両親への感謝の気持ちは、いつだって気づいた時に「ありがとう」伝えればいい。
カーレーサーのゴット役はポープ・タナワット・ワッタナプート(Pope Tanawat Wattanaputi)、お父さんのプレム役(若い頃と年老いた姿の両方)は、トゥー・チャンタウィット・タナセーウィー(Chantawit Tanasawee)が演じています。
というわけで、タイ映画「Oh My God Father! / なんと父よ!」は「親の心こ知らず」について考えさせられるおすすめの感動コメディ映画です。
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